5人が本棚に入れています
本棚に追加
子狐との、それからの毎日は、それはそれは、楽しい時間でありました。
我が子のようでもあり、孫のようでもありました。
「これこれ、いたずらな子じゃ。洗濯物をくわえたら、また汚れるじゃろ?悪い子じゃの。ハハハ…」
そんなある日のこと。和尚さんが突然倒れました。
子狐は、
「…クン、クン…」
と鳴くと、和尚さんの体を鼻先で押しました。
それはまるで、早く起きて、と催促しているかのようでした。
しかし、和尚さんは、うんともすんとも言いません。
すると、子狐は走って、どこかに行ってしまいました。―
最初のコメントを投稿しよう!