高校3年、春。

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高校3年、春。

無事に進級して、春休みも終わり、授業も普通に戻ると、3年生は最後の大会に向けて部活に熱が入る。 どの部も活気に溢れて、楽しそうで羨ましい…。 透子の生活は変わらず、父の家と母のマンションを往復する。 義父は帰ると気を使ってくれるが、義理の妹は両親を取られるようで、対抗意識を向ける。 透子が見えない様に振る舞う。 母も義理の妹に気を使い、それに習う。 だから義父は余計に気を使う。 こうなると、いない方が円満だろうな、と考えて一日で家を出る。 父の家は、父が殆どいないから、義母には良いヘルプ要員だ。 それでも母のマンションよりは家事は少ないから、泊めてもらう分の労働は構わない。 さすがに父が連続でいない日は、早々に退散する。 そんな風に、後1年、辛抱だと思っていた。
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