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迷探偵、皆を集めて
平和な午後、来客の予定もなく、のんびりお茶をしていたら、友人がいつも以上にバタバタ騒々しくやってきた。
「うるさいぞ、〇トソンくん」
「伏字になってないし、そもそも、僕は日本人だ」
「そうだな、共通しているのは売れない作家というところだけだ」
キツイ一言をお見舞いし、「それで何だね」と私は彼の持っている紙を覗き込んだ。
商店街でもらったというチラシには『新元号当てクイズ』というタイトルが書かれている。
「キミの推理力を発揮できる企画だ。新元号発表の、1時間前まで応募可能なんだ! 行こう!」
友人は興奮気味だが、私は静かに首を振った。
「こういうのはダメだと前にも言っただろう。元号は当てものではないんだ。決まったことを粛々と受け止め、日常に組み込んでいく――」
前もそう言って、この手のクイズを回避した。正直、私は漢字が死ぬほど苦手だ。彼が児童文学に転向しようか迷っていた時に「キミにはそちらのほうが向いている!」と熱弁をふるったほど、苦手だ。
「でも、これ、新元号の略号のアルファベットを当てるだけなんだけど」
それなら……やってもいいかもしれない。
私は彼と一緒に、会場である商店街へ出かけた。
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