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「何ですの?それは」高貴な薄メロン色のベールドレス姿の女が尋ねた。
彼女の名はナキナル・テロゾール、サリタル皇帝の第七王妃である。
第一から第六王妃までは、どうしたかって?...現在、第3銀河を長期旅行中である。
「バス・フレーバー・アンド・クリーナーさ!」皇帝は虹色に輝く1本のビンを空に掲げつつ答えた。
「それを使うと、どうなるのですか?サリ様?」ナキナルはサリタル皇帝を愛称で呼ぶことが許されていた。
「ふむ。いい質問だ。ナキ」皇帝はいきなり踵を返すと、両手でビンを抱えて、じっと目を凝らして中を見た。
「...わからんのだよ。これが!」皇帝はそう言うとフゥーッとため息をついた。
......
そんな、ちょっと妙な行動の二人を少し離れたところから警護している金色のメットを被った近衛兵の二人は、ひそひそとおしゃべりを開始した。
「なあ、ビイ。皇帝は朝から何度、あの台詞を口にされた?」皇帝に向かって右側に立つ男が言った。
「ああ、ナズ。もう5回目じゃないか?」ビイと呼ばれた男は答えた。
「そもそも、皇帝の持ってらっしゃるあのビンは何なんだい?」とナズ。
「さぁ?1万年以上前の古代都市の遺跡で発見されたらしいが...ナタロン博士が分析したそうだが、詳しいことはわかっていないそうだ」とビイ。
「大丈夫なのか?皇帝はあのビンでジャグリングしているぞ?」とナズ。
「本当だ。逃げたほうがいいかな?」とビイ。
近衛兵の二人が逃げ腰になっているところに、話題に上がっていたナタロン博士が現れた。
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