第1章 バスルーム星の攻防

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「遺跡の古文書には、直訳した場合” バスルーム星は、これ1本”という記録がありましたが、、」 そこで博士は一旦言葉を切り、そして続けた。 「様々な情報を集約して解析した結果、バスルーム星創造の初期段階で使用されたものであることが判明しました」 「...つまり?」と、皇帝はナタロン博士の話の解説を求めた。 「つまり、バスルーム星を構成するあらゆる物質の素粒子レベルでの分解と再構築...一言で言うならば新世界の創造です!」 「なんと!!..つまり、それを使うと?」皇帝は更に解説を求める。 「...我々は宇宙の塵と化します!」ナタロンは少々ウンザリしたように答えた。 「まぁ、恐ろしいこと」第七王妃のナキナルは、両手で顔を覆った。  ...そんな感じで三人が2、3秒フリーズした間隙に、疾風のごとく現れた一人の少年がテーブルの上の[最終兵器のビン]を奪い取った!  少年は反重力ソーサーに乗りながらも、器用に空中でバク転して叫んだ。 「やったぜ!最終兵器はボクのものだ!!」 「!...ラビケン!お前ってやつは!なんてことを!」サリタル皇帝は両手の握りこぶしとともに仁王立ちとなった。 「ラビケン王子!...あー、あなたは何てことを!」ナキナルは思わず泣き崩れた。 「やーい、父上!母上!返して欲しかったら、僕に宇宙戦艦をくれよ!」ラビケンは笑いながら空中でクルクルとスピンした。 「!...こんなこともあろうかと!」腕組みしたナタロン博士が今度は仁王立ちとなった。 「サブリナ・チョーップ!!!」水着のブラと腰蓑(こしみの)に謎のお面をつけた少女が電光石火で空中に飛び上がり、ラビケン王子の胸板に強烈な水平打ちを見舞った。 「ぐええええーっ!」ラビケン王子はのけぞり、最終兵器のビンが空中に放たれた。  謎の少女サブリナは、そのビンをガッと掴むと、空中を3回転して見事に金属円盤床の上に着地した。 「決まったね!」と決め台詞のサブリナ。オレンジの髪が風にそよぐのであった。 to be continued...
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