第1章 バスルーム星の攻防

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第2節 謎の少女サブリナのオレンジの髪は風にそよぐ 「王子を傷つけました。何なりと罰をお与えください」謎の少女サブリナはバスタブ帝国皇帝サリタルの面前でひざまづいた。  彼女のオレンジの髪がそよ風にフワリと揺れる。 「ムムム!」サブリナに一瞬怒りをぶつけそうになった皇帝だったが、すぐにスフゥーッと息を吐き、落ち着いて話し出した。 「...我が息子を傷つけた行為自体は許しがたいが、、、[最終兵器のビン]を取り戻し、我が帝国を破滅から救った行為は称賛に価する!」 「ははっ!」とサブリナ。 「...よって、お前には...」家来の名前を忘れた皇帝はチラリと斜め前に立つナタロン博士を見た。 「...彼女は皇帝陛下直属の親衛隊小隊副隊長のサブリナです」と博士。 「...うむ、サブリナ副隊長、お前には2階級特進の栄誉を与えよう!」皇帝はそう言うと、伸縮自在のペーパーナイフを腰のベルトから取り出し、サブリナの左肩を2回軽く打った。 「ははっ!ありがたき幸せ!」サブリナはそう言いつつ、ひざまづいた姿勢のまま、ズザザッと後方に2m程下がった。  そして、皇帝から前方に15mほど離れた位置で、ナタロン博士のラリアットにより体勢を崩していた金色メットの近衛兵二人は、またひそひそとおしゃべりを始めた。 「なあ、ビイ。最近の皇帝は以前のように激しくお怒りになることが無くなったな」と一人が言う。 「ああ、ナズ。どうも皇帝は最近、ヨルガケンという精神修養の武術を始められたらしい」とビイ。 「なるほど。それで精神が安定していらっしゃるのだな」とナズ。 「たぶん。しかしサブリナは2階級特進か。うらやましいな」とビイ。 「ああ、俺がラビケン王子殿をとっちめれば良かった」とナズ。 ......
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