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元々兵数で劣っていた劉備にとって、これは強烈なまでの痛手だった。
そのため荀攸は、
「……我が君、ここは守戦に切り替え、文若に援軍の要請をしましょう」
ため息のようにそう進言をした。
西涼騎馬を相手に劉備軍は先鋒の龐徳隊を張郃が。
最も厄介な馬超隊を張飛隊が受けていたため、馬超の劉備本隊への突撃がなかった。
これが幸いな事であったが、もっともこれから活躍すべき張飛隊と張郃隊の被害が顕著であった。
その後も、西涼軍の攻撃は馬超、龐徳を中心として、十数日にわたって苛烈に行われた。
劉備は徐庶の進言により守戦を続けていたが、時に機を見つけると、韓遂を除いた敵部隊へ反撃をしたりもした。
それでも戦況は変わらず結果、十日間の間に二万の兵士のうちの六千の被害を蒙ってしまった。
敵の士気は尚も盛ん。
馬超もそうだが、傍らの韓遂の進言によるもの。
即ち信頼関係がこれほどの強兵を生み出しているのだと、荀攸は説明した。
「ならば、荀攸よ。そなたにはこの強力な信頼関係を打ち破る策はあるのか?」
劉備の問いに荀攸は、
「韓遂は老獪で隙のない男ですが、馬超の方には弱点がございます」
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