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互いの馬が距離を詰めた。
高覧はここから先の事は記憶がなかった。
覚えているのは、馬超の馬と交叉した刹那、気がつけば槍を振り上げたままの自分の首の下が見えた事だけだ。
そのまま高覧の視界は真っ暗となった。
一太刀で高覧の首は跳んだのだ。
「やったぞ、敵将討ち取ったり!
「馬超!馬超!馬超!馬超!」
「皆の者、我に続けぇ!」
その歓声は西涼軍全体に起こった。
槍の名手である高覧ですら、たった一合で討ち取られた。
交叉したその一瞬、馬超の槍は高覧の首を斬り落としたのだ。
これによって高覧隊は壊滅的な被害に。
副将がいなかったために、残りの兵は怯えた様子で一人残らずその場を逃げ出した。
「ふん、所詮は烏合の衆か……」
馬超は、踵を戻して張飛隊の背後に詰めた。
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