銅鑼の音

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目指すは敵本陣。 馬超は馬を蹴り先陣をきった。 広大な大地。 照りつける日輪の下、縦横無尽に駆ける軍馬の群れ。 「馬孟起、ここに在り!」 その闘牙は今まで以上に研ぎ澄まされてた。 そこへ立ち憚る一騎の武将。 馬超はこの男に因縁があった。 しかし、嬉しいとも思った。 今まであった中で一番厄介だと感じた敵。 「出たな趙雲、我が好敵手よ!」 即ち、劉備の殿隊長を務める趙雲、字を子龍であった。 趙雲は塁の後方にて待機する兵に向け、 「各自、防壁を張れ、一頭たりとも騎馬を通すな!」 声高に指示した後、騎乗して長槍を握った。
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