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「馬超は私が相手をする!」
馬超は他の兵では到底敵わない。
自分がいかねば被害は増し、やがてわが主の髻を掴むだろう。
「そのような事、この趙子龍が絶対許さん!」
趙雲は塁の後方に待機して、長槍を構えた。
塁は頭を影で覆うほど高くして、槍兵が待機するための階段も設置してあった。
徐庶は、張飛隊が万が一やられて騎馬隊が攻めてきた場合も想定していたのだ。
しかしながら、その徐庶もまた馬超の荒々しさは想像しきれていなかった。
馬超は塁の前まで来ると、更に馬を蹴った。
まさか飛び越えるつもりか。
しかし、人馬一体と言われる馬超の馬術ですら、あの塁を超えるなど到底無理な話だ。
なぜなら徐庶は予め、関羽の赤兎馬から飛び越えきれないであろう高さを算出していたのだ。
だが、馬超の馬はさらに勢いを増す。
「ふん、それでこの馬孟起を止められると思うたか。笑止、笑止、西涼の駿馬は死をも恐れぬ!」
馬超はその勢いを維持しながら塁まで走った。
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