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この生と死の狭間の緊張感に心身体が高揚を覚えたのである。
馬超は襲いかかる殿の兵を長槍であっという間に斬り殺すと、自らの足で走って更に本陣を目指した。
ここでもまた、一騎当千、その本領が出始めてきた。
このままいけば、張飛、関羽とすら引き分ける程に勢いが増してしまう。
そうなる前にこの馬超という麒麟を鎮めねばならない。
「馬超が来たぞ!」
「馬超を止めろ!」
劉備本陣に緊張が走った。
この馬超には杭を打たねばならない。
では誰が杭を打つ?
この西涼錦に杭を打つことができる者などいるのか。
そう思われたが、既にその杭は馬超の背後に迫っていた。
馬超は振り向き、にやと笑った。
「来たな、好敵手よ……」
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