429人が本棚に入れています
本棚に追加
馬超、字を孟起は紛れもない万夫不当の傑物である。
それが自らの意地、誇りを賭して英雄である劉備を討たんとしているのだ。
その意気は凄まじく、たった一騎であっても劉備の喉元に辿り着くだけの闘牙が備わっていた。
関羽は青龍偃月刀を握り、張飛とともに馬超を睨んだ。
「翼徳、相手は死物狂いだ。馬超を討つぞ!兄者には指一本触れさせぬ!」
「おうさ!」
関羽、張飛が得物を握って馬超を襲った。
視界全てを覆うほどの二人の巨躯。
西涼の精鋭であっても肝が潰れるほどの威容。
しかしそれを前にしても馬超に一切の怯みはなかった。
「はあああっ!!」
馬超は槍を構えた。
関羽が言ったように、馬超は死物狂いであった。
血の匂いが彼を狂気に酔わせたのか。
或いは関羽、張飛の如き雄星を前に興奮が頂点に至ったのか。
最初のコメントを投稿しよう!