玉座と老翁

3/21
431人が本棚に入れています
本棚に追加
/150ページ
これらは南匈奴の兵士である。 劉備は目を細め言った。 「随分と、手荒な歓迎だな」 声の男はにやと笑い、ゆっくり近づいてきた。 どうやらこの男が射手の指揮官らしい。 劉備の周りには関羽、張飛、趙雲、孫尚香がそれぞれ得物を握り、円陣を組んで威嚇していた。 男はそれらの将を見て、 「わが主は話し合いを求めている。聞きたいこともあるそうだ」 「主?」 「話は聞いておろう。呼廚泉様だ」 「……」 「用があるのは劉皇叔(りゅうこうしゅく)だけとも聞いた。あとはあなた方の態度で処遇は私に任せるともな」
/150ページ

最初のコメントを投稿しよう!