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「兄とその将兵を無償で返せと言えばどうする?」
そう言われ劉備は微笑んだ。
「ならば喜んで返そう。於夫羅単于にはそういう約束をしていた。弟のそなたになら、本人の了承を得た後、喜んで引き渡そう」そういうと、突然呼廚泉は大笑した。
「はっはっは、なるほど。先生の言っていた通り、劉皇叔は徳の人だ」
そう言って立ち上がると、呼廚泉はその場にいる重役たちに告げた。
「聞いての通りだ。我らが陣営に我等が於夫羅単于が帰ってくる!」
この言葉に諸侯はざわついた。
「そして、我等は劉皇叔に味方し、誇りにかけてこの方を長安まで護送しようではないか」
そういうと、一人の年寄りが立ち上がった。
六角の王の次に座っているのを見るに、重臣か或いは一族の老賢であると見える。
「失礼ながら呼廚泉様。馬超との同盟は如何されるおつもりですか?」
「莫迦な質問をするな!」
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