玉座と老翁

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そう言ったが、呼廚泉は、 「よいよい。この老人達はあなたの事を疑っているのだ」 このように笑って言うばかりであった。 なんといい加減な連中なのだろうか。 やはり、呼廚泉の向こう見ずなところは武人の気質ゆえの事だろうか。 「い、いやしかし――」 「いいからいいから」 このような問答が多分十回位は続いた。 押し問答の結果、劉備が折れる形となった。 二十数人の重役たちも、 「我々もこれについてだけは今後も問いませんので、どうぞ忌憚なくお話しください」 同乗するように言った。 ので、劉備は嫌そうな顔をしつつもやがて口を開いた。 正直な話、これについてだけは今後も問いませんという言葉にも引っ掛かるのを覚える劉備だったが、流れがそういうふうにきてしまっている。 嫌々であったが劉備は言った。
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