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Divorce
夫と離婚して三年、当時三歳だった娘は六歳になった。三年という歳月はあっという間だ。離婚したときは幼稚園に入園したばかりだった娘が、明日、小学校に入学する。
娘は入学式用の一張羅を着てはしゃいでいる。だけど、その顔には、どこか不安の影が見える。私にはその理由がよくわかる。
三年前、結婚十年目を迎えた私たち夫婦の関係は冷めきっていた。夫は毎日のように飲み歩き、遅い時間に酔っ払って帰宅する。たぶん、キャバクラだかスナックだかで、若い女の子にチヤホヤされながら飲んでいたのだろう。私はそんな夫に嫌気がさし、ろくに会話もしない。
だけど、夫には夫の言い分があった。夫が飲み歩くのは、私がセックスを拒否するかららしい。もともと私は性欲が強い方ではない。セックスにそれほど興味もなかったし、周りの友人が次々と経験していっても、気になることはなかった。実際、私は夫としか体を重ねたことがない。
結婚してからは、夫に求められるがままに抱かれていた。だけど、その多くは私自身が望んでいたものではない。義務とか、責務とか、そういうものに近い感覚だった。
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