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晴れのち恋の予感
「付き合って下さいっ！」
それは高校一年の春のこと。
私、松塚蒼はつまらない日常を過ごしていました。
「付き合って下さい」という言葉ははっきり言って聞き飽きたのです。
小学校、中学と特に何もなく【平和】の名の元に階段を上がって来た中で男子生徒から一番聞いた言葉で上位に入ります。
「学園の美少女！」「お嬢様っ！」そんなような言葉は一切言われたことありません。
青春で飛び交うテンプレの言葉に対して「聞き飽きた」なんて言えば色々言われそうですが本当にそうなのです。
私は特に目立っているわけではありません。
男子との繋がりも女子友達が多いわけでもありません。
でも春というのは不思議で、出会いと別れの季節と言われるようにこの時期になると告白されるのです。
それこそ神のいたずらなのか、運命なのか……。
言われることは決まっています。一字一句狂いません。
「付き合ってください」
そう言って頭を下げられても素直なのはいいのですが困ります。
毎回毎回同じことを言われるならば、私も毎回同じ言葉を返すまでです。
「好きな人がいるので、ごめんなさい」
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