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2-1
田村俊英は合唱コンクールに向けて必死で『パプリカ』を覚えていた。
「おまえのクラスは優勝なんて無理だよ?音痴のおまえがいる限りな?」
加藤征四郎に言われた。加藤征四郎は田村と1年のときの同級生で、2-2で酷いイジメに遭っていた。本田健人って奴から肩パンされている。
俺は風邪で休んでいる村崎京子先生の代理だ。かなりの美人だ。
「風邪なんて嘘で彼氏とセックスしてるんじゃねーの」
「波多野先生、そういうこと言ってるとクビになっちゃうよ?」
田村が言った。
俺の吐き出す紫煙に田村は噎せた。どうせ臨時だ。どんなに頑張ったってクビになるんだったら、自由にやった方がいい。
俺はタバコを田村の腕に押し当てた。
「あっちぃ!」
「痛いだろ?ペインマイルが溜まると旅行券が当たるんだ?博多にでも行きたいな?」
俺は毒ガスを学校内で散布した。サリンみたく死なない。俺って優しいんだ?記憶を喪失させる効果がある。『ランスィド』ってロゴの入ったスプレー缶を廊下や、トイレでシュッシュッした。ランスィドは腐るって意味がある。
記憶を喪失した挙句、最後にはゾンビになる。
田村や加藤はこの学校で起きた残忍な事件を忘れて、エロ本を読んでいた。思春期はいいよな?想像しただけでヌケる。
田村がゾンビになったので俺はハサミで刺し殺した。
ヨダレをダラダラ垂らしながら加藤ゾンビが襲いかかってきた。
田村と同じように腹を突き刺して殺した。
向井修が教室から出ようとしているときにゾンビ化した。
俺は背後からハサミで向井ゾンビを刺し殺した。
テケテケが現れた。テケテケは上半身だけの人間だ。テケテケは俺だけは襲わず、生徒たちを食っている。歯がピラニアみたく鋭い。
テケテケはどことなく死んだ美川美奈代に似ている。
俺は『ランスィド』を散布した。
小泉がやって来てテケテケを射殺した。S&WM500は2003年に登場した世界最強のリボルバーだ。めちゃくちゃ反動があって1発でテケテケは死んだ。クマを倒すことも可能らしい。装弾数は5発だ。
俺は小泉と協力することを決めた。
自分で召喚した妖怪は自分で殺すことが出来ない。
今さっき、そんなルールになった。
小泉がいなくては命がいくつあっても足りない。
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