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「心配するな。堕天使が出ても、いざとなれば俺が相手してやる。お前らは今まで学んできたことを活かし、自分ができることをやるんだ。この学園に入学した意味を、思い出せ」
皆、この特別な学園に入学した想いがそれぞれある。
あたしの場合は、パパのコネで簡単に入れるから。だけど本当は、堕天使への復讐。復讐が理由なんてほとんどの生徒がそうなんだけど、あたしはパパの分も背負っているの。
あたしのママが堕天使に殺されたのは、あたしが生まれてすぐのこと。買い物をしに街へ出かけた時、いきなり襲われたのよ。
パパは必死にあたしとママを守ろうとしたけど、たくさんの堕天使相手にパパはママを守れなかったんだって。
しかもかろうじて腕の中のあたしを守りきったパパは、リーダー格らしき男と戦った末に左膝から下を失った。今は最新式の車椅子で特に不自由なく生活しているけど、もう2度と戦えない。
だからあたしが、パパの分まで頑張るの。パパが作ってくれたこの素晴らしい学園で学んで、仲間と一緒に戦う。
たとえ、あたし達が所属している対堕天使部隊の名前が“カルマン隊”なんて超適当で恥ずかしい名前でも、我慢しなきゃいけない。
もちろん、こんな適当な名前を付けたのは他でもないカル先生よ。考えるのが面倒くさいからって、まさか自分の名前を付けるなんて恥ずかしい……
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