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「まぁいい。明日の朝9時、門前集合だ。覚悟できなければ来なくていい。中途半端な精神ではかえって足手まといになる、仲間が危険にさらされる。その代わり、班長を降りてもらうからな」
カル先生は冷たくそう吐き捨てると「自主練でもしてろ」と、解散させてベンチに座った。
「アーリス。明日のこともあるし、AとKで模擬戦闘しないか?」
「いいわよ。ケイさんの相手は、あたしね」
「臨むところだ、ねっ」
明るくケイさんの大きな手で背中を叩かれ、あたしは赤い腕章をつけたグループへと声をかけた。
「皆ぁー、チームKと模擬戦闘するわよ!わかってると思うけど、大きな怪我にならないように気をつけなさいよ!」
来たるべき日のために模擬戦闘はよくやるんだけど、最近は筋トレばっかりだったからちょっと緊張する。
赤い腕章をつけた、20人くらいいたチームAが、一瞬で半分の10人くらいになる。フフッ、皆やる気満々みたいでよかったわ。
「ほら、ディオも早く準備しなさいよ」
「はいはい。ほな、先輩相手に下剋上と行きましょかっ!」
ディオの手を掴むと、彼の姿がシュンッと消えた。代わりに、あたしの手には洋風で両刃の長剣が握られる。
姿を消したのは皆人間。またの名を、ウェポンクラスの人達。
99パーセントが人間のウェポンクラスは、入学したその日に特殊な細胞をその身に取り入れ、もう1つの身体を手に入れる。
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