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そして、柄に手をかけたままゆっくり腰を下ろしていく。口元に笑みを浮かべて、呼吸を整える。
やばい、これはケイさんお得意の居合いの構えだわ!日本刀を抜きながら斬りつける技なんだけど、動きが速すぎて今まで1度も見切ったことがないの。
でも、あたしは、ニヤッと笑った。
「アリス?まさか、あれを受けるつもりなんか?」
「今度こそ、完璧に見切ってみせるわ」
「む、無理やて、ひぃぃぃ……」
「あたしはディオを信じてる。だから、ディオもあたしを信じなさい」
「…………」
長剣を両手で握り直して構えると、返事の代わりに長剣から力が流れ込んできた。
温かくて、陽だまりのような……って、夜ばっかりだから陽だまりなんてわかんないけど。むしろ陽の光なんて浴びたら死んじゃうけど。
大丈夫。ディオはあたしを信じてくれている。絶対に大丈夫よ、見切れるわ。
あたしは両目に力を集中させ、ケイさんをまっすぐ見据える。
「!」
彼が地を蹴った瞬間に姿が消えたかと思えば、次の瞬間には目の前に銀色の閃光が煌めく。
ガキィンッ!!
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