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「ディオ、アリスが敷けてる」
「ほあぁっ!?すま――ブフォォッ!」
やっぱり馬鹿なのね。ヘトヘトのところ、人間の姿に戻った馬鹿ディオに抱きつかれ、というか突進されて押し潰されたわ。
ケイさんほどじゃないけど、大型犬を連想させるような図体で抱きつかれたら、口から内臓的な何かが飛び出そうになるわよ。
まぁ当然、馬鹿ディオがケイさんの一言で飛び退いた瞬間に全力でブン殴ってやったけど。
子供な馬鹿ディオなんて、そこでずっと伸びていればいいのよ。他の生徒に踏まれればいいわ。あぁ、頭を踏まれれば多少は賢くなるかしら?
「強くなったね、アリス」
「努力してるもの。で、さっきのは何パーセントの力?」
「えー、言っていい?頑張ってるアリスを傷つけたくないなぁ」
薄々気づいていたわ。ケイさんはこの紅華学園で1番、圧倒的に強い力と心を持ってるの。だから、模擬戦闘ではいつも手を抜いて戦うから。今回だって、相当手を抜いていたに違いないわ。
あたしが軽く頷くと、彼は人差し指と中指を立てて見せた。
「20パーセント」
「うっそお……この前と10パーセントしか変わらないなんて……」
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