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信じらんない。居合いを見抜いて喜んでいたあたしが馬鹿みたい。ディオも、もの凄く喜んでくれたのに。
一体、ケイさんの本気ってどんなものなのかしら。あたしなんていつも本気でかかってるっていうのに。
「アリスはちゃんと成長しているよ。俺が保証する。まだまだ、もっと強くなれる」
「いつか100パーセントのケイさんに勝ってみせるわ」
「いや、俺に勝つことを目標にするな。目標は、堕天使の殲滅……」
「わ、わかってるわよっ」
笑顔だったケイさんの目つきが変わり、あたしはつい顔を背けた。
「そういえば、ツカサが帰って来ないな?」
あたしがケイさんの手から弾き飛ばしてから、ツカサさんが帰って来ない。
グラウンドの外まで飛ばしちゃったのかしら?でも、そんなに強くは飛ばなかったはず。ツカサさんならすぐに武器化を解除して、自分の足で、文句を言いながら戻ってくるのに。
「これ……」
「ぎゃっ!」
キョロキョロしているとか細い声が背後から聞こえ、あたしとケイさんは同時に振り向いた。
その目の前に、日本刀。あ、これツカサさんだ。でもどうして?
「飛んできた。ガラナ、刺さった」
「いてぇんだから、さっさと抜きやがれぇっ!」
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