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「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい……」
なんとも不思議な光景を説明すると、まず目の前に小柄で可愛い顔なのに無表情の女の子がいるの。
その女の子が握っている釘バットに、日本刀――ツカサさんがまっすぐ垂直に、しかも深々と刺さっている。
ツカサさんは涙声で念仏のように謝り続け、釘バット――さっきカル先生をオッサン呼ばわりしていた真面目な頭の悪いヤンキーのガラナは喚き叫び続ける。
なるほど。
あたしが弾き飛ばしたツカサさんが、自主練していたガラナに刺さって武器形態を解除できなくなっちゃったのね。
え?「ごめんなさぁぁぁぁぁぁいっ!!」って声が近づいてきて、気付いた時には釘バットを構えて打ち返そうとしてた?思いっきり振っちゃったから、そんな風に刺さったの?
ちょっとキュリア、遊ばないで。それ、1番怖いの、ガラナとツカサさんだから。
「取って。触れない」
「ごめんな、キュリア。よいしょっと……」
無表情だけど、可愛らしい顔で釘バットをケイさんにグイグイ押しつけているのは、カルマン隊最年少にしてチームQ班長のキュリア。
中等部2年生14歳の美少女。いつも無表情でとっても口数の少ないキュリアだけど、怒ったら豹変するのよね。
それは、その華奢な体からは想像もできないくらいの破壊力。馬鹿力。
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