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「よーしお前らぁ、授業始めるぞー……って、お嬢とディオはどうした?遅刻か?」
「カル先生、後ろ――」
今から始まる特別授業の担当の先生が、ぶっきらぼうに声を張った。でもいつもなら目の前にいるはずの顔ぶれがいないから、キョロキョロ。
緑色の腕章をつけた背の高い青年が指を差した先、それは先生の背後、校舎の3階の窓。
グラウンドにいる皆の視線が、一斉にその窓へと向けられた。
「とぉっ!」
「ぅわぁぁぁぁっ!!」
トッ、ドシンッ!
「チームA班長アリス並びにトレイディオ、華麗に到着!」
「3階の窓から飛び降りるやなんて、人間の身にもなってみぃや!わいを殺す気ぃか!?」
「知らない。宿題を滞納した馬鹿ディオが悪いのよ」
「んなっ!なぁカル先生、遅刻か?命張って来ても遅刻になるんか?」
「まぁ落ち着け。心配すんな。どう足掻いても、お嬢とディオは2秒の遅刻決定だ。これで6回目だからな、リーダーならもっと気を引き締めやがれ」
「「えーーっ!!」」
遅刻……初めてじゃないけど、2秒くらい遅刻に入らないわ!
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