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そんなことになったのも全部、この馬鹿ディオのせいよ。彼が宿題を止めないから、皆が集まって授業を始めたグラウンドに直接飛び降りることになったんじゃない。
ペンを握ったままの彼の首根っこを掴んで無理矢理一緒に飛び降りさせたのは、ちょっとやりすぎたけど。
あたしは吸血鬼だからたかが3階から飛び降りたって平気だけど、彼は人間だからあたしが掴んでいなかったら骨折は免れなかったのよね。
そこまでして間に合わせようとしたのに、たった2秒遅れたからって遅刻にするなんて。
このオッサン及びカル先生及びカルマン隊長め、パパに言いつけてやるんだから!授業が始まってるのにタバコふかしてるなんて、既に教師失格だわ。いつものことだけど。
皆が綺麗に整列している、赤い腕章をつけた列の先頭にあたしはディオを引っ張りながら立った。
「気にするな、アリス。俺なんて遅刻も欠席も2桁はあるぞ?」
ひそひそと声をかけてきたのは、緑色の腕章をつけた隣の列のケイさん。
「そりゃあそうでしょうね。単位数も出席日数も足りない、挙げ句の果てには成績まで悪くて2回も卒業を逃しちゃってるんだから」
「うっ、流石にグッサリきたよ……」
彼はチームKの班長。高等部3年生だけど2浪しちゃってる20歳の頼りない先輩。
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