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vier,月
僕は宇宙船の窓から惑星を見ていた。とても美しい景色だ。
だんだん近づいてくる惑星は迫力がある。次に見えてきたのは、地球だ。青くて、美しい。木星より小さいが、文献で見たことがある地球は、自然豊かで、地球人が住んでいるらしい。会ってみたいな。
そんな思いで地球を眺めていると、宇宙船の動きが止まった。どうしたのだろうか。
「ちきゅうをながめようとおもって」
「そうなんだ」
「ちきゅう、やっぱりきれいだなあ」
タコたちは本当に好きなんだな。色がわからないらしいが、それでも地球の美しさはわかるのだろうか。
「ちきゅういろはね、わかるの」
「そうなの?」
「でも、どせいいろと、もくせいいろはわからない」
もしかして、色がわからないというのは、色の違いが分からないだけなのだろうか。地球色というのは、青や緑、そして白。惑星の中では一番色合い豊かな方だ。そういう意味では、タコは認識できる色なのかもしれない。
地球を見ていると、なにかうごめくものが見えた。白くて、宇宙船よりきっと小さいものだ。
「あれ、じんこうえいせいだよ」
運転席にいるタコが言った。
「人工衛星?」
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