funf,月面着陸

2/5
1人が本棚に入れています
本棚に追加
/36ページ
 誰と聞かれても。  「もしかして、宇宙人か!? おい、宇宙人だ! ヒトガタの宇宙人がいるぞ!」  そんなに騒ぎ立てなくても。確かに、地球人から見れば、僕はおかしいのかもしれない。軍服に銃を提げて、地球人の着ている、確か名前は、宇宙服と言っただろうか。それを着ていないとすると確かに、「宇宙人」なのだろう。  すると、いきなりパシャっという音が聞こえた。カメラで撮られたようだ。僕は帽子を深く被りなおした。元々長い前髪のせいで顔はよく見られないことが多いが、念には念をいれて。  「おい、言葉は通じるか?」  先ほど騒ぎ立てた地球人が僕の顔を覗き込んできた。  僕は一歩退いた。  「はい」  一応言葉はわかるので、返事をした。地球人には伝わるだろうか。  「おい、喋ったぞ!言葉が通じるみたいだ!」  まさに、大スクープだとでもいうような口ぶりだ。そんなに「宇宙人」は珍しいものなのだろうか。  「聞きたいことが山ほどある。聞いてもいいか?」  「少しだけなら、僕もやることがあるので」  地球人は地球人なりに知っていることがあるだろうと判断した。だから、地球人の話を聞いてあげようと思った。  「そうか。わかった。では、中へ入ろう」     
/36ページ

最初のコメントを投稿しよう!