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「! これは、……おいしい。おいしいぞこれは、……」
感動したあまり、涙を浮かべている。初めて食べたのだろう。会えてよかったかもしれない。
「素敵な花をありがとう。これは君が持っていなさい」
「いいんですか?……なら、会えたお礼に、一本差し上げます」
テーブルに置いてある束から一本抜き取り、地球人に再び手渡した。
「い、いや、でも。大切なものだろう?」
「いえ、大丈夫です。研究なりなんなり使ってもらって構いません。僕らは宇宙にいる仲間ですから」
僕がそういうと、地球人はまだ涙を浮かべ、あふれ出た涙を手で拭った。
「……ああ、ありがとう。ありがとう」
そういうと、僕を抱きしめた。
「君は、名前はなんていうんだい?」
「僕は、モルゲンと言います」
「モルゲン、……ドイツ語で、確か、朝という意味だったような……まさかな。僕はフレディ。よろしく」
そういうと、フレディは手を出した。握手の意味だろうか。僕も手を出すと、フレディはぎゅっと握った。
「あえて光栄だ。モルゲン、君はどこからきたんだい?」
「遠い星から、月に行こうと思って、宇宙船を借りてここまで来ました」
「宇宙船、か。君のほかにもいるのかい?」
「はい、いますよ。優しい生物が」
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