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drei,タコ
「ちきゅうってね、あおいんだよ」
「青いの?」
「うんうん、すごくきれいなの」
「そうなんだ」
僕はタコお手製の銀河花(先ほど毟った花の名称)ミルクを飲みながら、両サイドをタコに挟まれながら暇をつぶしていた。タコはいい奴だが、ほとんど地球の話しかしない。
時節窓の外を見ながら、タコの同じような話を受け流す。
「あ、あれどせいじゃない?」
「いやいやもくせいだよ」
「どせいだよ」
「もくせいだよ」
「色合いからして、土星じゃないかな?」
「そうか?」
「ぼくらはいろがわからないんだ。きみがいうからにはそうなんだね」
タコは色がわからないのか。
それだったら確かに口論にもなるだろうな。
「どせいってわっかなかったっけ?」
「さいきんなくなるらしいね」
「そうなのかあ」
タコの会話を聞いているとすごく和むな。
土星を通過した。ということはもう少しで木星だ。窓の外を見ると、案の定、木星が見えてきていた。運転席にいるタコが、「あれがもくせい」と他の二人のタコに向かってしゃべった。
「ほんとだ、もくせいだ」
「もくせい」
「木星好きなの?」
「ぼくはどせいすき」
「ぼくはもくせいすき」
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