待ってた

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意識してばかりの玲子は、戸惑うばかりだった。 ーーーいつもどおりになんか出来ない。 パスタを食べるのも、一苦労だった。 ーーーうまく飲み込めない。 パスタが喉に詰まって、胸を叩く玲子。 「ほら、水!」 グラスにすぐ水をついでくれた智也。背中まで、トントンとさすってくれる。 やっと涙目になりながら、飲み込んだ玲子の頭をゆっくり撫でる智也。 「落ち着いて食べろよな。ったく玲子は、目が離せないなぁー」 今までとは違う甘い空気が漂っている空間。智也が、私を女として見てくれている。 喜ぶべき空間に玲子は、怯えていた。 ーーー本当に? 私が好きなの? 勘違いじゃないの? たまたま妹みたいな私が西に取られそうになったら、気になっただけとか。 「玲子、今週末空いてる? 出かけないか? 二人で」 「えっ? 今週末?」 ーーー今週末は、西と。 「智也、西さんには……」 「あ、徹? うん、大丈夫。今朝、会社で言ってきたから」 ーーー言ってきた? 困惑の表情を見せる玲子に智也は、口角を上げて見せた。 「ほら、俺だってスジは通すべきだと思って。徹に紹介しといて悪いけど、玲子を諦めてくれないかって頭下げて来たから」 嘘のつけない正直者の智也なら、きっとそうするだろう。面と向かって自分の気持ちを告白し、西に了解を得てきたんだろう。 「西さんは……なんて?」
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