待ってた

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駅からの帰り道にコートのポケットに入れておいたスマホが鳴った。 「メールだ」 手を入れてスマホを取り出した。 ーーーやっと、今ごろになって家に着いたとでも言うつもりかしら? 画面を見て、玲子は何とも言えない気分になっていた。 ーーー智也だ。誰からのメールより嬉しいはずなのに、なんだか…。 気のせいだ。 考えてた相手と違うから当てが外れたみたいなものだ。 スマホの画面をスライドして、智也からのメールを見た。 智也からのメール =========== 話があるから、家に着いたら メールくれないか? =========== コンビニの角を曲がって、少し歩くと玲子のマンションが見えてきた。 「玲子」 マンションの前に来た時に、玲子は誰かに呼ばれて周りを見まわし呼んだ人を探した。 玲子が自分を呼んだ人物を見つけたのと、その人物が玲子の体を抱きしめたのは、ほぼ同時だった。
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