隣の朝ごはん

4/7
前へ
/7ページ
次へ
次の日も首輪を外して隣のばあちゃん家に入る。 ばあちゃんは何かを持ってうろうろしていたが、すぐに俺に気が付いて朝ごはんを持ってきてくれた。 「ごめんね。こんなものしかなくて」 そう言っていつもの味噌汁ご飯を置くと、さっきの何かを抱えてため息をついている。 俺がじっとばあちゃんを見つめていると 「ああぁこれかい、これはね息子のギターなんだけど、もう壊れてしまってね、どうしようか迷っていたんだよ」 ばあちゃんはそう言うと、またため息をついた。 壊れているなら捨てればいいのにと俺は思ったが、なぜかそうして欲しくない気持ちと、とても懐かしいような思いが込み上げてきて、思わず俺はまたハァハァして尻尾(しっぽ)振っていた。
/7ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加