1 ライバル?

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「さゆ、ちゃんと見てねえと手までむくぞ?」 「え? あ、ああ」 晃くんに注意されて、皮むきに集中する。 ちなみに晃くんは、お母さんたちの仕事をバイトみたいな感じで手伝っている。 私も出来たらいいんだけど……今のところ、学校の勉強と家事だけで精一杯なんだ。 晃くんほど頭もよくないし、要領もよくない。 お母さん同士が親友になった縁で、晃くんとは家族ぐるみの付き合いというやつになった。 中学のときはひた隠しにしたけどね! だって晃くん、中学んときからハイスペックのルックス良しで、先輩同輩後輩に止まらず、他校生からまで告白されまくっていたから、関わって悪目立ちしたくなくて。 んで、せめてお母さんに心配や負担をかけまいと、私は勉強に集中しまくっていた。 おかげで高校は授業料免除の特待取れたけど、それは晃くんも同じ。 ってか、勉強に集中しまくっているうちに、何故か私と晃くんはライバルということになっていた。 晃くんは常に学年トップで、私は一位タイになったり、二位になったりがずーっと続いていたからだと思う。
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