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「あ、あー、期間は未定? のままなんだ。でも、もともと家には一人なことのが多かったし淋しいとかはないよ」
「そう? 一人が不安だったら呼べよ~? いつでも行くから。ってか今度、琴と泊まりに行ってもいい?」
「あー、……み、みんな都合いい日があったら、ね!」
「楽しみにしてるね~」
腹が黒い凛ちゃんはともかく、琴ちゃんの天使な眼差しに、私はどんどん居心地が悪くなっていた。
これも全部あの悪魔のせいだ……!
母子家庭でお母さんが留守にしている家に簡単に友達を呼べない理由が、雪村と一緒に暮らしているから、だなんて……悔し過ぎて話せないよー! 私だってみんなとお泊り会したいよー!
「すりゃあいいじゃねえか」
「雪村がいるから出来ないんだよ!」
「別に俺、相馬がいようが三科がいようが気にしねえよ?」
「私の立場が悪くなるつってんの!」
私の家のキッチンで二人並んで、私がジャガイモの皮をむいて、雪村がタマネギをみじん切りしている。
雪村は呆れ気味な視線を向けてくる。
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