龍神

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龍神

 祇園祭の宵山、山鉾町の町家に弥勒はいた。戸を開け放して宝物を飾る。古くからの風習で、蛸薬師通や姉小路通でも見られる。  見物客に紛れて、獅子堂は弥勒をボーガンで射殺した。  宇治川の畔で橋姫を見つけた。  長い髪を分けて5つの角を作り、顔には朱、身体に丹を塗り、頭に金輪をかぶって3本の足に松明をつけ、両端に火をつけた松明を口に咥えている。  弥勒を倒し終えたときに、白虎の化身から忘れ傘ってアイテムをもらった。  橋姫は金輪をブーメランみたいに投げた。ボッ!炎の輪が襲いかかってきた。  獅子堂は忘れ傘をグルグル回した。  炎がシュッと消えた。  金輪がまるで飼い犬みたく橋姫のもとに戻る。 「己ッ!」  鬼の形相で再び金輪を投げた。  炎の輪が向かってくる、獅子堂はボーガンで撃ち落とした。 「オマエは鉄腕ダッシュか!?」  悔しがる橋姫の体に矢が突き刺さる。  白無垢が血で真っ赤に染まる。  最後の力を振り絞り、金輪を投げる。  獅子堂は傘を振り回した。  炎は虚しく消えた。  バスッ!バスッ!バスッ!  矢継ぎ早にボーガンを射て、橋姫にトドメを刺した。 「ウグッ………」  宇治川の水面へと真っ逆さまに落ちた。ドボンッ!!  さてと、家に帰ってナイター中継見ながら飯でもするかな?あぁ!酒が飲みたい、キリンのクラシックラガーがいい、つまみは枝豆だ。  バンッ!!水面が真っ二つに割れて龍神が姿を現した。 『願いを1つだけ叶えてやろう』  橋姫は龍へと姿を変えたようだ。 「館林まで乗せてってくれ」 『よかろう』  龍の背に乗って館林に向かった。  文福球場跡に宗像武蔵の姿があった。  龍は目から光線を出した。  宗像の化けの皮が剥がれ、狸へと姿を変えた。  龍の吐く熱い炎により狸は焼け死んだ。 『また、困ったことがあったらいつでも宇治川に来るといい』  龍神は天空へと昇っていった。  瑠璃子、そっちの世界ってのは悲しいことはないのかい?  獅子堂は新たなる街へと旅立って行った。      
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