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化け狸
宮城は確定申告をするために館林の役所にやって来た。狸の怪物が出るって話だ。
応永年間のこと。上州(現・群馬県)の茂林寺という寺に守鶴という優秀な僧がいた。彼の愛用している茶釜はいくら汲んでも湯が尽きないという不思議な釜で、僧侶の集まりがあるときはこの釜で茶を振舞っていた。
あるときに守鶴が昼寝をしている様子を別の僧が覗くと、なんと守鶴の股から狸の尾が生えていた。守鶴の正体は狸、それも数千年を生きた狸であり、かつてインドで釈迦の説法を受け、中国を渡って日本へ来たのであった。不思議な茶釜も狸の術によるものであったのだ。
正体を知られた守鶴は寺を去ることを決意した。最後の別れの日、守鶴は幻術によって源平合戦の屋島の戦いや釈迦の入滅を人々に見せたという。
この説話をもとにして、昔話の『分福茶釜』が創作されたといわれている。
狸の妖怪は睾丸を広げて襲ってきたり、人を化かすらしい。宮城は正田の醤油工場を眺めていた。
「何としても狸を倒してもらいたい」
工場の真向かいにあるLAWSONの店員さんに依頼された。厚生労働省の不正にはマジでイライラする。失業者にはイロイロ、ルールで縛り上げるくせに自分らは平然としてる。
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