隣を歩く君へ

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 てな感じで、しょうも無いこと考えてるんだろうね、この幼馴染は。  昔から分かりやすいんだよね。  あ……桜がもうすぐ咲きそう。  お花見に誘ったら来るかな?  バカ騒ぎしたいわけじゃないの。  そもそもこいつにそんな事出来るわけないし。  公園のベンチで桜を見ながらお汁粉でも啜れたら、それで幸せだよね。    何事も考えすぎなんだよね。  真面目以外の何物でもない外見した奴を、誰が軽薄なんて思うもんかな。  もう少し砕けてくれたほうが話しやすいとすら思うよ。  それに、言葉にしなきゃ自分の想いなんてものは伝わらないんだよ。  その点については私も反省かもしれないけどね。  君といると落ち着く、ぐらいは言った方が彼の思考が軽くなったのかもしれない。  ああでも待てよ。  考えすぎる奴だから、落ち着くと好意は別物だから、私が恋愛対象としてみていないというのを優しく伝えてくれたんだと思うかもしれない。    そもそも嫌いなら一緒に帰ったりしないという根本的な思考には至らないのかしら。  昔みたいに親の都合で一緒に遊んでいたころとは違うんだよ。  私は私の意思で君の隣を今歩いているんだよ。  私の方を向いてさ、一言で良いのに……。
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