彼女の口癖

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どきり。 変な鼓動が僕を揺らした。 どうしたのかと振り向いてみると 「今日はなに日和か聞かないの?」 と彼女は意外な事を口にした。 「え?」 思わず妙な声が口から出る。 それに対して彼女は少し怒ったような仕草をして 「今日起きてからずっとそれ考えてたんだよ!頑張ってやっと閃いたんだからちゃんと聞いてよー」 …………。 どうやら落ち込んでいたのは僕の勘違いだったらしい。 やけに静かだったのは、気を落としていた訳ではなく、僕が毎日するその問いに、対抗する為だったのか。 がくっと、膝から一気に身体の力が抜ける。 「これでも毎日ちゃんと考えてるんだよ~」 そう、人の気も知らないで鼻高々に胸を張る彼女。 「そんな事毎日考えてるのか…」 そのあまりの楽観さに、僕がそう呆れ半分で言う そしたら 「その方が、毎日が楽しいし、君も一緒に楽しめるでしょ?」 と、そう無邪気に笑う彼女に、僕は一瞬はっとさせられた。 あぁ、確かにそうかもしれない。 僕だってこの1週間、彼女が一体どんな反応、どんな返しをするのかと、密かに楽しみにしていた。 こんな頓珍漢で最悪な天気を結構エンジョイしていたんだ。 それもこれも、全部彼女のおかげで。 「……そうだね。」 僕は少し恥ずかしくなってしまい顔も伏せる。 それ見て、彼女は不思議そうな顔をした。
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