プロローグ

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…それは、待ちに待った生徒会メンバーの発表の日。 この発表は、全校集会で行われる為、 緊張した面持ちで理事長のなっがーい話を聞きながら、自分の名が呼ばれるのを待った。 というのも、自分の名が呼ばれる事を事前に知らされている為である。 役職は知らされていないものの、全校生徒の前で挨拶をしなければならないので、何と言うのか決めておかなければならない。 この挨拶により、自分を認知している人もそうでない人にも信用を得られたりするので、たかが挨拶だと侮ってはいけない。 が、しかし俺にとってはそんなことより会長の座につけるかどうかが頭を占めていて余裕なんぞないに等しかった。 俺が生徒会メンバーであるのは、予想通りの展開であった。なぜなら一年の時にメンバーになったからである。 その時はまだ一年だったため、会長にはなれないと理解していたから、なんとも思わなかった。 が、やっと自分の番が回ってきたのだと頭で理解するには充分の自信が俺にはあった。 …その説明には、一度生徒会の仕組みついて語らなければならない。 生徒会は、会長、副会長、書記、会計、庶務ともう一人で構成されている 最初の説明で学年関係なく選出と言ったが、昔は、三年は受験生の為に基本的に選出されなかったのだ。 それにやりたがる人もいない。 しかし、それでは生徒会の仕事の引き継ぎを行うのが大変であると抗議が入った為、特別にそのもう一人『生徒会管理官』という名で、元生徒会の会長が補佐に就くことが義務づけられている。(三年生徒のなかでは犠牲者と呼ばれているらしい) …という感じで、生徒会メンバーは、一・二年から選出されるのと変わらない。 ここで気づいた人たちも少なくないと思うが、元生徒会・会長・三年のワードから、二年が会長に選ばれることが伺えるだろう。 そして、俺。元生徒会メンバー。わかるだろう? 俺以外に誰が会長に適任な人物がいると思うか?いや思わない。 これこそが俺の自信のもとである。
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