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「でも、勉強中に私語はしづらいですよね?」
「俺ふつーに芹川と話してたけど」
「え?」
「え、何、気付いてなかったの?」
__気付いてなかったぁぁーー!!
「…その顔、マジで気付いてないみたいだな」
「いや、その、集中してたからと言いますか…」
断じて!旭南君に気を取られていた訳ではなく!
「集中って何に?勉強?_それとも旭南に?」
心を読まれたかのようにされた質問に戸惑う。
「それは…勉強してたからに決まって…」
「ふーん。旭南が気になってて周りが見れてなかったんだなー」
「だから、勉強だって言って…」
そう言うと、大きくため息をつかれた。
「はぁー…。八多喜嘘つくの下手すぎ、強く主張出来てねーのがその証拠な」
「そんな事ないです」
「そんな事あるから言ってるんだろ。自分の癖なんて他人にしかわからないんだし…なっ!」
「うわっ!」
肩を組まれていた方の腕で、わしゃわしゃと髪をかき回される。
「__親睦を深めるに越した事はないが、あんまり意識され過ぎるとなー…」
「何か言いましたか?っていうか止めてください!!」
ボソボソと呟いた先輩の言葉は、髪をかき回されていた所為もあって、俺が聞き取れる事は無かった。
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