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話しているうちに料理は完成され、向き合ってテーブルの席に着いた。
「「いただきます」」
かーくんが作ってくれたのは、豚の生姜焼きだ。手を合わせて挨拶した後、一口食べる。
美味い。
「それにしても、藍先輩の部屋に来たの久しぶりかも」
「うーん、最後に来たのは二週間位前か?」
「そうそう!最近は部活で忙しいし、藍先輩も生徒会があるから予定合わないし、学年違うから学校でも会う機会少ないし。藍先輩不足ー…」
「俺不足って…去年は全然会えなかっただろ?」
「でも、高校入ってからは結構会えてたから。俺にとっては藍先輩がいる日常の方が普通なの」
「ははっ、それは嬉しいよ。…でも今日は勉強会だからな?遊んでやる訳じゃないぞ」
「…勉強を口実に遊ぼうとしてたの、分かってたんだ」
「そりゃあ、中間テストの時も勉強せずに遊んでたらな」
「藍先輩は全然構ってくれなかったけどね」
「当たり前。俺の場合は、勉強頑張らなければならないからな」
「部活も大概大変だけど、生徒会も大変だよねー」
「まあな」
「ちぇー、久しぶりだから構ってくれるかと思ったのに。でもまぁ、ただ単に会いたいっていうのもあったから、今回は俺も勉強頑張るよ。…成績やばいし」
「最後のが本音だろ」
てへっと笑うかーくんに、俺は溜息をついた。
「そんなにヤバいのか?」
「先輩も知ってると思うけど、前回は赤点無かったでしょ」
「そうだね」
「でもさっき言った様に、最近部活が忙しくって、それで…授業中、寝ちゃった」
「・・・」
…いつの間に、かーくんは志津摩と同じ人種になってしまったんだ!
俺はそんな子に育てた覚えはありませんよ?!←
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