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「_さぁ、どの教科から始めようか」
食べ終えた食器を片付け、勉強道具を広げる。
「どの教科って言われても…全部なんだけど」
「じゃあ、苦手な教科から始めるか。かーくんが苦手なのは英語と数学だよな。どっちからが良い?」
「どっちでも良いや。先輩が教えやすい方で」
「それだと数学かな。今日教えたばっかりだから自信あるかも」
「へー、今日誰かに教えたんだ?」
「あぁ、生徒会で勉強会をしたんだよ」
「そうなんだ。じゃあ数学教えて」
「りょーかい。んーと、かーくんが今どのレベルなのか知りたいから、始めは問題集の基礎の所からかな。範囲表…はまだ渡されてないから、今授業でやってる所は分かる?」
「わかる。ここだよ」
「…ここまでか。わかった、一度この問題を解いて」
「はーい」
問題集とにらめっこし始めたかーくんを横目に自分も自習を始める。
__旭南君に負けてられないと意気込んでみたは良いものの、どうすれば良いのだろうか。
「(…まぁ、いつもより多めに勉強するしかないよな)」
中学ではかーくんと同じ運動部に入っていた事によって、脳内が地味に体育会系である俺には、
運動・練習する程上手くなる=運動・勉強する程覚える
になっている為、それしか考えられなかった。
ちなみに、部活はバスケ部だ。かーくんは高校でも続けていて、この学校にもスポーツ推薦で入ってきた。…だからこそ、勉強が危ういのだが。
「藍先輩ー、解き終わった!」
「思ったより早いな」
自習の手を止め、かーくんのノートを覗き込んだ。
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