さぁ始めよう、勉強会!

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「…あんまり解けてないな」 「ノートも取って無かったから、解き方が分からなかったんだよね」 「それもそうか。ちょっと待ってて」 俺は自室から一冊のノートを持って来る。 「これ貸してあげるよ。去年の俺が使っていたノートだから」 「わー、ありがとう!」 「これ使って解いてみて欲しい所だけど、解説聞いてこそだからなぁ。今教えて、後で解き直す時にそれを使うか」 「後で解き直す…時間あるかなぁ」 「休み時間でも良いから。もちろん、授業は寝ちゃダメ」 「えー…って!それってノートを学校に持って行くって事?」 「そういう事。何か問題ある?」 「問題って言うより…ノートが藍先輩のだってバレたら、貸してくれーとか言われてノート争奪戦が起きるよ」 「そんな大層なものじゃないんだけど」 「学年首席のノートなんて、誰もが見たいものだよ」 「そういうものか…?」 「そういうものだよ。だから、ノートは藍先輩と勉強する時か自分の部屋で使うから」 「時間無いんじゃなかったのか?」 「テスト一週間前になれば部活も休みだから、その時にやる。…後は寝る前の少しの時間に見直すとか?」 「まぁ、好きなように使ってよ。取り敢えず、今は解説からだな」 「お願いしまーす」 「えーっと、解けていない所は……」 俺はかーくんの隣の席に移動し、解説を始めた。 旭南君の時が教師の様な気分であるなら、かーくんの時は家庭教師の様な気分であった。 旭南君の時よりも多く解説したその範囲は、久しぶりな事もあって自分にとっても良い復習になった。 …今回のテストには関係ないのだが。 そこは、次の模試か何かで活用出来たら、という所である。
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