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「あれ、もうこんな時間か」
色々と解説している間に結構遅い時間になってしまった。
「キリもいいし、今日はここまでにするか」
「終わったー!」
「…そんなに嬉しそうにするなよ」
とは言いつつも、俺も結構疲れたな。
ぐで〜っとテーブルにへばりついている、かーくんと時計とを交互に見やった。
「今日はどうするんだ?」
「泊まるー…もう同室の子にそう言ってあるし」
「お前、人の許可なく勝手に…」
「けど聞いてくれるって事は泊めてくれるんだよね?」
「同じ寮だし、近いのに泊まるっていうのも変な話だけどな」
「やった!」
かーくんはむくりと起き上がり、勉強道具を片付け始めた。
…おい、今スマホで同室の子に連絡入れてるだろ。画面、見えてるぞ。
「風呂先に入るだろ?」
「良いの?」
「かーくん、部活あったのにそのまま勉強してたから」
「そういえば…汗臭かったよね、ごめん!」
そういう訳じゃないけど…と言おうとするが、
かーくんは手早く片付けると、風呂場へと駆けて行った。
忙しないな。
俺も自分の勉強道具を片付けた後、かーくんの着替えを用意する。
高校に入ってから、かーくんにも自分の部屋があるにもかかわらず、よく泊まりに来るものだから自然と彼用の着替えが常備されている。
いつの間にか彼の私物が自分の部屋の所々に増えているのも、もう慣れたものだが、自分の服くらいは用意して欲しいと思いつつクローゼットから服を取り出した。
「タオルと服、棚に置いておくから」
「はーい」
風呂場に行き声を掛けると、浴室から返事が返ってきたので、服等を置いてからリビングに戻る。
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