さぁ始めよう、勉強会!

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「ほら、寝よう藍先輩」 「えー」 「えーじゃない。体調崩したら元も子もないんだよ?」 背中押されながら寝室へと連れて行かれる。 悔しい事に体格差があるため、抵抗しても無駄である事は理解しているので、せめてもの抵抗として押しているその手に体重をかける事しか出来なかった。 ズルズルと押された後、ベッドに寝かせられる。 隣でちゃっかりかーくんも横になっていた。しかも、俺を壁とかーくんで挟むような状態で寝かせられているため、動く事が出来ない…というか狭い。 「狭い…っ」 「わっ、落ちるって!」 どいてくれという意味を込めて足を蹴ると、抗議の声を上げられた。 「どうしていつも隣で寝るんだよ。お互いに寝づらいだろ。ベットで寝たいなら俺がソファー使うから。ちょっと退いてくれる?」 「だーめ、ソファーだって寝づらいでしょ。それに、俺が藍先輩と寝たいの」 「甘えたかよ。そろそろ幼馴染離れしろよなー」 「幼馴染って離れる必要無くない?」 「じゃあ兄離れか?」 「えー、…兄ちゃーん!」 「ふはっ…!自分で言っといてアレだけど、こんな大きな弟いらねーな。弟は悠斗(ユウト)だけで充分だし」 「ひどっ!…ってそういえば、最近悠斗君と連絡し合ってないかも」 「そうなのか?たまには連絡してやれよ、絶対喜ぶから」 「そうしてみる」 悠斗とは俺の弟である。今は中学三年の受験生で、かーくんと違い身長は俺よりも低い。 悠斗とは、夏休みに家に帰った時に勉強を教えるという約束をしている。 俺の記憶の中では、思春期真っ只中なのに反抗期でもない純粋な弟であるが、高校に入ってからはあまり会えていないため、性格などが変わってしまっていないか心配な所だ。 「かーくんも夏休みに入ったら実家に帰るだろ?」 「何もなければ今のところは帰るつもりだよ」 「じゃあ久しぶりに家に来れば?テストが終わったらすぐ夏休みみたいなものだし、テスト頑張った分だけ遊ぼうか」 「本当!?」 「先に夏休みの課題を終わらせてからならな」 「…手伝ってください」 「教えるくらいならいいけど」 _そうして駄弁っているうちに、いつの間にか寝落ちてしまった。
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