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死神の声
仕方なく談話室に戻って来た。
『ゲームをはじめよう、21時30分から22時までの30分って短い間に百ってワードのつく言葉を7人に答えてもらう。考える制限時間は1問につき3分、辞書やその他のもので調べたりしたらアウト、死んでもらいます。勿論、3分以内に答えられなかった場合も死んでもらいます。優勝者には100歳まで生きれるビッグチャンス!』
「ふざけるな!俺たちはゲームのキャラじゃない」
どこからともなく聞こえてくる死神の声に田宮が怒る。
そのとき、田宮が膝を押さえて苦悶の表情を浮かべた。
「どうしたんですか?」と、獅子堂。
田宮がパジャマのズボンの裾を捲った。膝小僧がぱっくりと割れて血が出てる。
「かまいたちだ……あぁ、いてぇ」
光子が救急ボックスからマキロンと絆創膏を持ってきて手当してやった。
獅子堂はこの婆さんを怪しく思った。
100円なんて安すぎると思った。全ては光子の仕業なんじゃ?と。
『次、反論したら頸動脈を掻き切る』
「分かった!やる、だから殺さないでくれ」
田宮は自分のしでかした過ちを悔いていた。田宮はバイトの女子高生と不倫をして子供を作ってしまった。女子高生は親戚や友達に言葉の暴力を受けて自殺をしてしまった。
死神の正体は彼女なんじゃ?そんな風に思ったりしていた。
ゲームスタートまであと7分だ。
光子はトイレに行くことにした。
『逃げようと思ってもムダだ』
「逃げやしないよ」
談話室を出た。雨の音がしている。
娘たちの亡骸は子供部屋に寝かせてある。
「どうしてあの子たちが死なねばならなかったんだ?」
美和子は週刊記者をしている。スキャンダルを追ったりもしてるし?恨みを飼われているかも知れない。獅子堂って男は人相が悪い、まさか、殺し屋か?
川村青葉の娘は美和子が自殺に追い込んだ。そんな怪文書がFAXで送られてきたことがあった。
トイレに入った。最近、便秘気味で3日も出ていない。75にもなるといろんなところにガタが出てくるなぁ。
談話室に戻るとチャイムが鳴り出した。
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