おぞましいゲーム

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おぞましいゲーム

駒野宏太、田宮太一、千草千夏、鶴川月子、小谷香美、緑川光子、獅子堂翔馬の順番だ。  駒野が31分に「百人一首」って答えた。33分に田宮が「百鬼夜行」って答えた。「百科事典」って35分に千夏が答えた。「百花繚乱」って37分に月子が答えた。香美の番だ。「百面相」って38分に答えた。「百名山」って39分に光子が答えた。  漸く、獅子堂の番がやって来た。答えられないと死んでしまうんだ。田宮の傷口を思い出した。「百戦錬磨」と41分に答えた。一回りする。 「現場百回」って43分に駒野が答えた。 「百舌鳥」って田宮が44分に答えた。  頭の切れる男だと獅子堂は思った。 「百観音温泉」って45分に千夏が答えた。「百地三太夫」って46分に月子が答えた。「百発百中」って47分に香美が答えた。「百合」って48分に光子が答えた。順番が戻ってくるのがやけに早い。 「百姓」って49分に獅子堂が答えた。  残り10分! 「百済」って51分に駒野が答えた。 「百里基地」って52分に田宮が答えた。 「百獣の王」って田宮のすぐ後に千夏が答えた。 「百田夏菜子」って54分に月子が答えた。「百目鬼」って56分に香美が言った。「百叩き」って58分に光子が答えた。「山口百恵」って22時ギリギリに獅子堂が答えた。  キンコンカンコン、チャイムが鳴り響いた。 『皆さん、ナカナカお強いですな?』  死神は7人のパネリストに100までの寿命を与えた。    光子は冷蔵庫から瓶ビールを出して、みんなに振る舞った。 「百叩きなんて、よく思いつきましたね?」  獅子堂は光子に言った。 「ああ、時代劇をよく見てたからねぇ?  江戸時代に入り、非公式な組織内刑罰だった鞭打ちが、徳川吉宗によって公式の刑罰として復活した。総称して敲きと呼び、回数によって、50回のものを軽敲、100回の、いわゆる百叩きを重敲と呼ぶ。盗みや喧嘩などの軽犯罪を対象としており、一揆における便乗犯にも、この刑罰が加えられた。箒尻とよばれる竹製の鞭が使われ、背から、尻・太ももなどを左右に分けて叩く。武士には執行されなかったが、浪人には執行された。 「百観音温泉ってどこですか?」  柿ピーをポリポリ食べ、田宮が尋ねた。 「東鷲宮駅のすぐ近くです」と、千夏。 「鷲宮ってアニメで有名になりませんでした?」と、駒野。 「らき☆すたのことですか?」
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