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「やっぱあおはやイケメンだな。前髪で顔隠すなんてイケメンの無駄遣いだぞ。俺は月村洸夜」
月村洸夜だと名乗る男子が夫婦漫才を繰り広げていた女子の髪からシュシュを取ると、俺の前髪を上げてちょんまげを作った。その行動に面食らっていると「あおはや~かわいい」と女子の口調を真似た洸夜が言った。
「やめなさいよ洸夜。でも蒼井くん本当にかわいいよって、男子にかわいいはないか……ごめんね。洸夜こんなやつだけど仲良くしてあげてね。わたしは吉沢美紅」
シュシュを取られた髪の毛を整えながら女子が言った。
「美紅はおかんよりうるさいからオススメしないからな!あおはや」
「蒼井くんがわたしなんか相手にするわけないでしょ。おかんよりうるさいは余計じゃない」
ふたりの夫婦漫才に圧倒されながらもシュシュでちょんまげを作られた俺。
前の学校ではこんな光景に俺が遭遇するとは思わなかった。だからずっとこのふたりと仲良くしていたい。ずっとこのままがいい。そう思ったんだ。
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