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そして、ゴールの瞬間。
先生は、琉斗の方に手を挙げた。
これには、クラス中が騒いだ。
「きゃー、カッコいい!藤井君。」
「太田君も、カッコいいよ。」
私は、溢れそうになる涙を拭いて、琉斗のところへ行った。
「琉斗。」
「ひなり。」
どちらからともなく、私達は抱きしめ合った。
周りから、きゃああと言う声が聞こえた。
「琉斗。黙っててごめんね。私、琉斗の事が好き。」
「俺もだ、ひなり。ひなりの側は、誰にも譲らない。ひなりは、俺のモノだ。」
その言葉を聞いて、私は微笑んだ。
「人を物みたいに、言うな。」
私は、琉斗の額を、コツっと叩いた。
「痛いよ、ひなり。」
そう言って私達は、笑い合った。
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